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転造とは、素材に強い力を加えて盛り上げて成形する金属加工方法(塑性加工)です。素材を削って成形する切削加工と対比して考えると分かりやすいです。

たとえば粘土を使って星形を作る場合。手で握ったりこねくり回したりして形を作りますが、粘土全体の量は握る前と握った後で変わりません。粘土は削られたり溶けたりしたのではなく、圧縮されたり膨張したりして成形されます。これが転造のイメージです。一方、切削加工は余分な部分をそぎ落としたり削り落したりして形を作ります。切れ味の鋭いナイフを使って削ぎ落せば確かに綺麗な形はできます。でもそれでは、削ぎ落された部分がなんだかもったいない気がします。そのまま捨てるとゴミにもなりますね。転造なら材料を無駄にしません。それどころか、切削だったら削ぎ落されて捨てられていた余計な部分が、転造の場合は圧縮され、凝縮されて活かされています。ゴミを出さないだけでなく、素材の強度も高まる。さらにニッセーの技術では切削に勝るとも劣らない精度を安定して出す事に成功しています。

転造にはさまざまな方法がありますが、ニッセーはダイスと呼ばれる丸い工具を使った「丸ダイス転造」を専門にしています。丸ダイス転造とは、回転する2つ(又は3つ)のダイスの間に棒状の素材を挟んで、ダイスも素材も回転させながら成形する方法です(下図)。

転造加工図

図のように、ダイスを素材の中心方向へ押し付け、回転させることで素材表面に形状を盛り上げていきます。そのため、製品の表面形状はダイスの表面形状に依存します。つまり転造には機械本体だけでなく、欲しい製品の形状に合わせたダイスも必要という事です。

ニッセーでは独自技術により汎用から高精度な極微細加工用まで、さまざまなダイスも生産しており、50年以上の歳月をかけてノウハウを蓄積してきました。