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転造では加工装置のことを転造盤と呼びます。

転造盤は、使用するダイス(工具)の種類、動かし方の違いにより数種類に分類されます。なかでも、一般的なものとしては(1)丸ダイス転造盤、(2)平ダイス転造盤、(3)プラネタリー転造盤の3種類を挙げることができます。

工具は円筒状で、丸ダイス、またはローラーダイスと呼ばれています。同一形状の2個または3個のダイスを用いそれらを同一方向へ、同じ速度で回転させながら距離を狭めていく方法で加工を行います。

ダイスが回転することにより加工面を無限延長面として使用できることと、ダイス間の距離を自由に変更できることが特徴として挙げられ、加工の応用性に優れています。そのため、ねじ転造以外の部品加工にも多く用いられていますが、その反面、生産性は他の2種類よりも劣ります。私たち株式会社ニッセーは、丸ダイス転造盤の専業メーカーであり、丸ダイスの持つ従来の欠点を覆す装置・技術の開発を行っています。

丸ダイス転造盤

工具は板状で、平ダイス、板ダイス、またはラックダイスと呼ばれています。一般的な平ダイス転造盤の基本原理は右図に示してあります。図のように一対のダイスのうち一方を固定したまま、他方を平行方向に往復運動させることで加工を行います。ワークは一端から挿入されて他方で排出されます。その間に加工が完了するため。加工面が限定されることになります。また、ダイス間の距離は加工中に変更できません。特徴としては、高い生産性を持ちますが、加工の応用性には欠けます。主な用途として、汎用ねじの大量生産に用いられています。

平ダイス転造盤

また、加工応用性を加工精度を向上させたものに両スライド式の平ダイス転造盤があります。これは、左図に示されているように、一対の工具を同じ速度で反対方向に運動させることにより加工を行う機械です。ワークの中心は加工中は移動せず、中央で保持されます。比較的高い加工精度が得られることから、インボリュートスプラインやインボリュートセレーションの加工に多く用いられています。近年ではNC制御機も登場しています。

平ダイス転造盤

工具はアーチ形状のセグメントダイスと丸ダイスで構成されています。セグメントダイスは固定さえたままで、丸ダイスを回転させることにより加工を行います。ワークはセグメントダイスの一端から挿入されて、ダイス間を遊星運動間に加工が行われ他端から排出されます。加工面が限定され、加工中にダイス間距離の変更ができません。加工の応用性がありませんが、3種類の転造盤のうち最も高い生産性を持ちます。主として、汎用ねじの大量生産の現場で用いられています。